1951年、カナダの心理学者ドナルド・ヘッブが行った「感覚遮断」という実験があります。この実験は14人の学生を14の個室に入っていただいて、洗面やベットなどが用意され、食事はランチボックスで提供するというもので、他人とは会話をしない状態で生活すると、どのような身体や心への変化があるのか?との目的で行われた実験です。
この実験の結果では、14人がストレスがまったくない状態で80~90時間過ごすと、被験者は“妄想”や“幻聴”“幻覚”といった、統合失調症のような症状となってしまう・・という状態となり、思考力や注意力が散漫になり、日常生活ができなくなるのだそうです。
現状の社会では引きこもり状態で自分の部屋で悶々と暮らし、親が部屋の入口に食事を運んで来て、人とかかわらない状態で生活している・・・などの状況も少なくないと思いますが、もしかしたら「感覚遮断」の実験を毎日行っている状況なっているかもしれません。最近の事件の中で「あの人が自分の悪口を言っている」「お告げが来た」などの容疑者からのコメントが報道さるることがありますが、きっとこのような「感覚遮断」の状況なのだと思われます。
人は追い込まれた状態になると【闘争/逃走反応】を示すようになるんですね。
人との関係で怒ったり落ち込んでしまったり、笑ったり・・・人間関係があるから生きていけるということだと思います。やはり“みんながゲートキーパープロジェクト”に参加していただき、自分の周りの人たちに【味方になりきるコミュニケーション】を行うことが必要だと感じます。
「感覚遮断」実験が示す、【闘争/逃走反応】